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資源枯渇問題 [音楽]

資源枯渇問題


ギターは木材を使う楽器なので、良いギターを作るためには当然ながら良質の木材が必要だ。しかし天然資の源枯渇問題はここでも深刻で、良質の木材は市場から急速に姿を消しつつあるように思われる。制作家や楽器製造会社は代わりになる材料を探しているようだが、ギター好きな人たちは多くがかなり保守的で、新しい素材をつかった楽器をなかなか受け入れようとしない。私自身も残念ながらそうなのだ。だから良い木材を使った上質の楽器を欲しい人は、大金を払うかそこそこの楽器で満足するかということになる。しかし他にも選択肢がないわけではない。それは言うまでもなく中古楽器を買うことだ。エレキギターはアメリカで発展したものなので、アメリカで作られた古い楽器がルーツになるわけだが、そういった楽器はVintageと称して高額で取引されていることは皆さんご存知の通り。昔は全く評価されていなかったCBS時代の楽器が高額で取引されている事実などは私のようなオヤジから見ると驚くばかりだ。しかしたかだか過去数十年間につくられた良質な楽器の数には限りがあるわけで、その数はどんどん減っていくことになる。エレキはクラシックギターのように寿命が長いわけではない。クラギは丁寧に使えば50年~100年くらいは使い続けることができると言われているが、エレキは生まれてからたかだか70年前後しかたっておらず、時間の試練を受けていないので、何年持つかという問いに対する答えを持っている人はいない。しかし使われている材料を考えると100年持つことはないだろう。さて。

私自身のような普通のオヤジが良質な木材を使った楽器を手に入れたいと考えた場合、現状で焦点を絞るべき楽器はやはり中古なのではないか。しかもVintageではなくいわゆる中古楽器、国産の古い楽器だ。本国アメリカでの本物のVintageはもはや手が届かない値段がついているため、最近はJapan Vintageとかいって国産の古い楽器を評価する動きが目立つ。ブームになっていると言ってもいいような状況らしい。業界の収入源という要素もあるにはあるだろう。仕掛け人のような人たちもいるのかもしれない。しかしやはり資源の枯渇といった状況も反映されているのではないか。日本の古いエレキと言えば、私の世代で言えばなんといってもGrecoだろう。あまり裕福ではなかったわれわれに、夢を与えてくれた素晴らしいブランドだ。神田商会のショウルームに何度も緊張しながら足を運んで楽器を試奏させてもらったことを思い出す。当時最先端のGRなんかも置いてあったっけ。プロのギタリストも足を運ぶことがあるようで、神のように上手な人の演奏を耳にして胸を熱くしたものだった。しかし私の場合はTokaiの楽器に注目しており、当時は法的に黙認されていたと思われるFenderの完コピ楽器を何度も試奏させてもらって感銘を受けたことをまるで昨日のことように覚えている。また、当時親しくしていた裕福な友人はFenderよりもFernandesがいいといって、実際に石ナンデス時代のストラトを購入していた。そうそう、忘れてはいけないのは初期のFender Japanだろう。鳴り物入りで業界に参入してきたFJの初期物はかなりの業物で、たしか銀座の楽器店で目にした1st lotのストラト(サンバーストでローズ指板の60年代モデル)は、後光が差してみえたものだ。当時の本家より楽器として数段すぐれていたことは間違いない。結局自分のモノにすることはなかったが。話が横道にそれてしまうが、初めてのFender Japanは今でも私の手元にあり、緻密に造られた楽器の細部は日々の生活を少しだけ豊かにしてくれている。木部の材質は残念ながら本家のCustom Shopに及ばないけれども。しかし当時は考えようによってはいい時代だった。オリジナルのFenderさえ手に入ればバラ色の未来が待っているようにも思われたし、なにより楽器さえ弾いていればそれだけで幸せになれたものだ。

10年+前位にFernandesのFender系Copy楽器が小さなブームになっていることは意識していた。一本手に入れたいとは思っていたが、潔癖な性格が災いして中古購入に二の足を踏んでしまい、現在に至るまで実行していない。それ以前にGrecoの新品同様のきれいな上級モデルを手に入れたことがあるのだが、自分の趣味に合わずすぐに売り払ってしまった。私はどうもGrecoとは相性が良くないようだ。さて、かつて注目していたTokaiなのだが、最近ものすごい人気が出ているようで、どう考えてもおかしい、というような高額で売買されていると聞く。ヤフオクでチェックしてみると、確かにブームのようなことになっており、便乗して商売をしている業者の様な方もおられるようだ。他にもいくつか、取り上げるべきマイナーなブランドがあるのだが、ここでは触れないことしたい。

実はある特定のブランドの楽器の購入を考えており、ネット上で情報収取をしているのだが、品質を考えると、まだ取引の価格は高沸しておらず、いまがおそらく適価での入手の最後のチャンスなのだと思われる。あの頃憧れたあの楽器を、今手に入れることができるかもしれない。コスパを考えるとものすごくお得なような気がして、いい年をして再び胸を熱くしている。ご縁があって楽器を手に入れることができたら、またここで報告してみようと思う。お暇な方は付き合ってください。

タグ:ギター
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