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市川 安田 [日本蕎麦]

2月5日
市川 安田 ざる 大もり 900円
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数年前、古いマンションの一階にこのお店ができたことは認識していた。お店を外からのぞくと、壁がぼこぼこと岩を模したコンクリであることが気になって、清潔感を感じて好ましく思ってはいたが、なんとなく近づかないでいた。仕事を早く終わらせて他店を目指したのだが、ふられてしまったのでこのお店で食事をすることにした。

足を踏み入れてみると、テーブル4-5個とカウンタ。一人の客は当然のようにカウンタを勧められる。床はなんだか昔懐かしい、コンクリに黒くて丸い、つやつやとした石を敷き詰めたもの。親戚の家の玄関にいるみたいだ。椅子の落ち着きは悪いが見栄えはよい。椅子につくとすぐに、美味しいそば茶がサーブされた。

ざるの大もりをお願いし、待つこと数分。蕎麦をゆで、氷水でしめ、”ばしばし”とざるをたたきつけながら水を切る。誠実に調理しておられる様子。塗りのお盆で横長のせいろにのせて適量の蕎麦が供された。一見してやや太目の更科蕎麦にみえる。色は薄めで均一。”星”のような粒は当然入っていない。なぜかどっしりした印象をあたえる蕎麦。かほりは遠慮がち。何もつけずに少々食べてみる。角はしっかりと立っており、噛み応えがある。しかしもそもそすることなくのどを滑ってゆく。飲み込むよりは噛み応えを楽しみながら食べるのが良いようだ。つゆはやや甘め、といっても神田まつやほどではない。澄んだかつお系の出汁とともにマイルドな醤油の味わい。万人に好かれるタイプのつゆだ。つゆのかほりもマイルド。蕎麦と比べると僅かに弱いかも。蕎麦につゆを大目に絡ませるといいバランスだ。蕎麦をつゆにどっぷりとつけるのはなんだか格好悪いけれど。薬味の葱は水にさらしてあるが、気が抜けたりはしていない。山葵は粉?上質なものをごく小さな”玉”にして葱に添えてある。つるつるもぐもぐとすぐに食べ終えてしまったので、私にしては珍しくもう一枚追加注文した。これも手際よく調理、数分で供された。2枚目になっても蕎麦やつゆの味の印象が変わるようなことはなく、これもあっという間に食べ終わってしまった。おそらく蕎麦粉を濃い目に水で溶いて沸かしたと思われる蕎麦湯を全て飲んで、結構満足して店を後にした。

良い;バランスの良い蕎麦、つゆ、薬味。お店が全体として清潔感を保っていることは大変好ましい。
もっと良くなる;ご商売なので、お酒中心のメニュー展開となるのは仕方がないが、もう少しだけ蕎麦にウエイトを移して頂けるとありがたいです。
また行く?;Yes たびたび通ってもあきがこないのではないか。
総括;千葉県のベッドタウン市川駅前にある比較的新しいお蕎麦やさん。やや地味だが清潔な店内で、誠実に調理しておられる。都内と変わらないレベルの値段が気にならなければ良いお店だと思う。蕎麦好きの近隣の住民には便利なお店。



2015年4月某日 せいろ 大もり 900円
久しぶりに再訪。安田の近くにあるウズマサに行くことを考えたのだが、通りに人が並んでいる。私はお店に並んで食事をするのが嫌なのだ。待つのはあまり楽しくない。それで久しぶりに安田に伺った。オヤジはラーメンよりも蕎麦だぜ、というのもあるけれど。せいろのおおもりをお願いすると、お昼時であるにも関わらず、手際よく数分で供された。全てが数年前と同じ印象。お店自体も回転して数年たっているように思うのだが、まだまだ古びてはいない。清潔感が保たれていて好印象だ。頑張っておられるようだ。お蕎麦も薬味も蕎麦つゆも、記憶している限り前回と一緒だ。安心の美味しさというか。

1つだけ残念だったのは、氷水でお蕎麦を〆ているのはとてもいいのだが、本日がまさにそうであったように水温や気温が低い時にこれをやると、お蕎麦のかそけき薫りが飛んでしまうのだ。状況に合わせてお願いしたいと思った。それ以外は満点で、蕎麦茶と蕎麦湯を全て飲み干して、ちょっとだけ揚げ物くさくなったけれど、けっこう満足してお店を後にした。ごちそうさまでした。

いつも思うのだが、お蕎麦というのは有名店でも田舎の家庭的なお店でも、値段がほぼ同じだ。数百円。それならいっそ有名店で、とも思うのだが、気軽に立ち寄ることのできる身近なお店を大切にすることは重要だ。などと考えながら、お蕎麦と共に一日が暮れてゆくのであった。

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2023/03/23   千葉県のお蕎麦屋さんなど [日本蕎麦]

2023/03/23   千葉県のお蕎麦屋さんなど



私は神奈川のヒトなのだが、このところ千葉や東京で過ごす時間が長い。なので、都心の蕎麦屋はもちろん気になるが、職場やゆかりの深い?千葉県の蕎麦屋事情などについても書いてみたい。

本八幡   意外だがいい蕎麦屋さんが複数ある。

三鴨庵 誰でも知っているような有名店があった場所に出店している。新しくなってから足を運んだことはないが、以前にあった銘店では、靴を脱ぐ設定になっていたので数回伺ったのみ。靴を脱ぐのは苦手なのだ。新しいお店はどうだろうか?

瀧森  有名店で修業されたというご主人が、アニメ声の花番さん、つまりおかみさんとお二人で切り盛りしておられる。お酒の種類はわずかだが、奇をてらわないまっとうなお蕎麦屋さんで個人的なお気に入りだ。なぜかたまたまゲイの方とご一緒することが多かったが、丁寧においしそうに食事をしておられたのが印象的だった。コロナ禍の影響と思われるが、最近は営業時間を絞っておられるようで何度かふられており、最近ここのお蕎麦を楽しませていただいたことはない。

玄庵 ながせ 脱サラをして転職されたというご主人が、やはり奥様と一緒に切り盛りしておられる。そばつゆを家庭で使われるようなタッパーに小分けして冷蔵庫で保存しているのが印象的だった。一言でいうと丁寧なお蕎麦、という印象。かなり奥まったところにあるのだが、これまでに伺ったわずかな機会には、なぜか騒ぎまわる子供が当然のように走り回っており、お蕎麦が心から楽しめずに閉口した。蕎麦屋に子供をつれてきて、周囲に全く気を遣わない両親に冷たい視線を注いでおいた。子育てが大変なのはわかる。蕎麦屋で呑んで楽しみたいのもわかる。しかしお店や客に迷惑をかけていいわけではないはず。

藪から坊  高速道路のICに近い、クルマでないとたどり着けないようなロケーションのお蕎麦屋さん。カウンター以外に小さな個室が複数ある、なんというか本格的正統派のお蕎麦屋さんだった。蕎麦が切れたら終わりだよ、店で蕎麦をうったりする暇はないんだよ、という高飛車な雰囲気を漂わせていたが、それでもこれまで何度か寄らせていただき、充実した時間を過ごさせていただいた。惜しくも閉店してしまったようだ。小さいけれど和風のお庭がしつらえてあったのが良かったなあ。

草庵 駅前の線路沿いにもう一軒、有名ではないが印象的なお蕎麦屋さんがあった。平皿で供される本格的な蕎麦が楽しめる大変結構な隠れた銘店的なお店だったのだが、こちらも惜しくも閉店してしまったようだ。食後に和風のデザートをサービスしてくださったことがいい思い出だ。後継者がおられないといったお話だったように記憶してる。

数日前にながせ、瀧森に振られてしまったので、もう本八幡はいいことにして、次は市川の蕎麦屋にしようか。



市川   古い街なのでいいお蕎麦屋さんがたくさんありそうだが、意外と蕎麦リソースには恵まれていない。みんな蕎麦食わないの?そうなの?私はそんなところには住めないかな、、、。

安田 駅前のマンションの一階にある、この辺りではおそらく最もレベルの高いお蕎麦屋さん。一人で行くと必ずカウンターに座らされてしまうため、落ち着かないことはなはだしい。蕎麦の質は都内の店に十分匹敵するが、酒の種類と質が弱いこと、店が狭いこと、それから換気システムが古いためか、店中に油が充満してしまい、嗅覚が過敏な私はとても長居できず、けっきょくあまり足を運ぶことができていない。飲み屋として使うお客さんが多いのも私的には玉に瑕だ。現在改装中とのことなので、換気の問題が解決されることを期待している。

三久庵  この辺りでは古くからやっている”街の”お蕎麦屋さんであり、おそらく今でも出前に対応している。店をいったんつぶしたようで、知らない間にビルが建って、その一階にお店を開いておられるようだ。知る限り家族経営であり、もろもろ大変結構、と思うのだが、蕎麦の質がいまいちであること、酒に力を入れていないこと、また、トイレの場所が不適切で、食事中に机の場所によっては不愉快な思いをすることがあることが課題だ。まあ私は嗅覚が、、、この話はまあいいことにしようか。お酒の保存など、多少の問題はあるが、全体に清潔感があるのは大変結構だ。

鴨や天童 開店したてのころ、たまたまこちらに行ったことがあるのだが、大変結構なお店であり、腕っぷしの強い大将、といいたくなるご主人が、お母さん?と思われる初老の女性と二人で切り盛りしておられた。店内には清潔感が漂っており、お蕎麦の質と言い、スタッフの好印象と言い、また足を運びたいと思わせるに十分なお店だった。お店の近くに大きな団地があるので、つぶれるようなことはないだろうと足を運ばないでいるうちに、どうも飲み屋さんメインの営業になってしまったようで、最近、、、といってもずいぶん前になるが、、、お店に入った瞬間に飲み屋さんの油っぽいにおいが。それ以来数年足を運んでいないが、蕎麦の質は落ちていないといういい噂を聞いている。

あ、そうだ、何度か伺ったことのある、駅からものすごく遠い、山の中腹?にある ソバイスバいさと は閉店してしまったようだ。知る人ぞ知るまごうことなき銘店であり、遠方からお金持ちそうな人とかそばを淫してしまったような変わった人たちが食べに来ていた。酒も蕎麦も、試したことはないが一品料理も大変結構だった。閉店が惜しまれる銘店だ。

以上が私の知っている、蕎麦のレベルがある程度以上高い市川の蕎麦屋なのだが、上記以外にもおそらく私の知らないお店はあるのだろうと思われる。だれか教えてくださるとありがたい。

本日は、珍しくお休みを取ったので、市川のお隣の都内の小さな町、小岩で評判がいいお店を訪ねてみるつもりだ。



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