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2023/06/10   これで終わりにできるかどうか自信はないが [音楽]

2023/06/10   これで終わりにできるかどうか自信はないが



私のアイドルはなんといってもGrant Greenだ。左手の指を二本しか使わないなどと悪口を言われることもあるが、なんともいい味のギターを弾く人で、ずっと気になっていてCDはほとんどすべて持っている。今後長くはない自分の音楽時間をこの人の軌跡を追うことに費やしてみようと結構真剣に思い決めた。このところずっとこの人の音源をきき、ソロをコピーしているが幸い飽きることはない、つまりおそらく私にあっているのだ。追求する音楽の領域を限定して深くやっていきたい。楽器の数を減らし、この人が若いころに持っていたES330モデルを性懲りもなく手に入れることにした。アイドルが使っていた楽器を買うなんて、今までの私にはなかったことだ。いい年をしてお恥ずかしいことだ。しかしギブソンスケール、薄いボディのフルアコは軽いので、これなら腰も肩も大丈夫、長時間練習しても体への負担が少ない筈だ。330は335と違い、ボディが薄いのにフルアコであり、あまりポピュラーではないためかなかなか手に入らない。調べてみると、Gibsonの旧いものはVintageと称して3桁万円というわけのわからない値札が付いている。合板のお安く作ったモデルにもかかわらず、だ。人気がないからこの楽器のコピーモデルもほとんど出回っていないのだが、あきらめずに探し続ければあるところにはある。渋谷のJazz Guitar専門ショップ、Walkinがいまでも新品を10万円台後半で売ってくれているのだ。寺田製の楽器にお店独自の仕上げを施したとのことで、純国産とのこと。ハードウェアにはブランドものはつかわず全て一般的なものではあるが、普通に使うのには十分なものが選ばれているように見えるし、使いやすいように多少なりとも手が加えられていたりするので楽器としての品質は信用してもいいだろう。簡素なつくりのクルーソンタイプのペグに白いプラボタンがついているのもいいし、ポジションマークはシンプルなドット、PUはP90、テイルピースはトラピーズタイプの装飾が省かれたものであるなど、とにかく簡素、シンプルに徹しているのがいい。個人的にはリヤPUはいらないのだが、まあそれは仕方がないだろう。みんなと同じ一般的な楽器を使えばいいのだ。ジャックはトップに設定されているので座っても立っても太ももと干渉することはないし、全てのハードウェアがシルバーなのもいいな。どうしていままでこいつを手に入れなかったのか、自分でも不思議に思うほど細部が私の好みに合う。フルアコなのにブリッジのスタッドがトップに直接打ってあることが不安を覚えさせるが、結構丈夫そうなブレイシングが多めに張り付けてあるので強度は確保できているのであろう。失礼ながら完成度が高い楽器とは思えないが、日本の箱モノ作りに定評ある会社が制作して、箱モノに強いお店が仕上げをしているというのだから長く使える楽器になっているだろうと思われる。このお店、Walkinは、実はずいぶん昔から知って興味を持っていたのだが、決して人気があるとは言えないES330のみならず、さらにボディが厚くなっているES150Dモデルまで売っている。けっこうすごいことだよこれは。マニアックかつ素晴らしいお店だ。お店の人は頑固者かもしれないが、むしろそのほうがいい。私は多くの場合ナチュラルな色の楽器を好むのだが、GGを見習ってサンバーストを選んでみた。これも私にしては例外的な選択だ。ワインレッドでもいいのだが、やはりここはGGと同じ色で行きたい、恥ずかしいがやるときは徹底的にやらないと。こいつを自作のチャンプにダイレクトにつなげて、しばらく音の世界を探検してみたいと真剣に考えている。あ、チャンプの回路もいじって高音を強調してみたいんだったなあ、この楽器との相性を見てからやってみようかなあ、時間が足りないなあ、と、いつもの無限ループに落ちていく私なのだった。



ということで、恥ずかしげもなくWalkinにうかがってまんまと330モデルを手に入れた。軽くて腰にやさしいし、期待した通りにネックはかまぼこの断面のように太い。これだ、これが欲しかったんだオレは。軽すぎるのでちょっと不安になったが、そのうち慣れるだろうと思って家族に加えることにして弦を張り替えたのだが、新品なのにペグが壊れていて弦を巻けない。こんなことってあるんだろうか?信じられない。GotohのSD90を使ってあるはずなのだが、ひょっとするともっと安いモデル(そんなのあるのか?)、もしくは別の会社のパーツを使っているのかもしれない。私はこれまでGotohのペグをたくさんたくさん買ってきた。いくつ買ったのかとか、恥ずかしくて書けないくらい沢山買った。実際、今現在も手元にいくつか未使用のものがあったりする。とにかくGotohのペグの信頼性が高いことは、趣味であれ、仕事であれ、楽器の制作に携わる人であればだれでもよくわかっているはずだ。私も例外ではない。そういった、世界的な評価を手中にしたGotohに拍手を送りたい。世界に誇る群馬県の中小企業だからね。私自身がアセンブルした楽器で、Gotohのペグ、とくにSD90とか91とかの標準的なモデルで問題が出たことは一回もない。なので、私の家に来てくれた楽器には、別の会社のパーツが使われたのではないかと推察する。ほとんど盲目的にGotohブランドを信頼しているのだ私は。それでともかくお店と相談して、最終的に330は引き取っていただくこととなった。返金ということだ。なんて残念な結末なのだろう。WalkinのStuffの方が親身になって対応してくれたことが不幸中の幸いだ。私の週末はともかくそうして終わっていった。おそらく付き合いの長いHeritageH575Customが怒ったのだろう。それならよくわかる。私はHeritageのJohnと直接交渉して、ずいぶんよくしてもらって現在手元にある楽器を作ってもらったのだが、その際、フルアコはHeritage以外は買わないと誓ったのだ。今回のことは、誓いを破ったばちなのかもしれない。やっぱり約束は守らないとね。とにかく今後セミアコ~フルアコをどうするか、しばらく考えてみるしかない、しかも真剣にだ。Heritageからのお許しがでなければずっとHeritage一本でいくべきなのだろう、多分そういうことなのだろう。それでもH575Customのために、ずいぶん前に使い心地がよろしくないOriginalと交換するためにVやTのノブをアメリカに発注したり、ペグをアップデートするためにGotohに注文したり(現在使っているグローバーは調べてみたら韓国製で、最近調子が悪いのだ)、ブリッジのすわりをよくするための作業をサポートするジグをStuMacから買ったりしているのだ。つまり気を遣っている。なぜなら私のメインギターはあくまでもHeritageなのだ。そこのところを楽器にせつせつと語りかけていきたい。
タグ:ES330
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