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2023/06/20   ネックと弦高 [音楽]

2023/06/20   ネックと弦高



弦高に関しては、プロのギタリストの方でもなかなかベストな状態が決まらないとおっしゃっているし、考えるのをやめてテックに方に任せているという方までおられるので、こいつはなかなか難しいテーマだ。高くすれば張りのあるダイナミックな音がするし、低くすれば弾きやすい。しかし“音”が悪い方向に変わることが多いようだ。PUの設定や、音程の問題などもあるので事は簡単ではない。そう、ギターって本当に未完成な楽器なんだ。しかしそこに可能性を見出す私のような変わり者もいるわけだ。

私は体格が良く手は大きいほうなのだが、手のひらが大きいだけで指はさほど長くはない。親からの遺伝で小指が小ぶりであるため、ネックと弦高問題ではずっと苦労してきた。自分にとってベストなネックは一部のBroadcasetのもので、分厚く角張ってごついのだがあまり幅は広くない、上から下まで断面の形が大体同じで、プロファイルがかわらないというのが好みだ。長年いろいろな楽器を触ってきてようやくそのことがわかったのだ。しかしこういった断面を持つネックは明らかに時代遅れであり、特別に注文しなければなかなか手に入らない。輸入物だって我々日本人に好まれるような細めのネックの楽器をわざわざオーダーして売られていることが多いのだ。しかし絶望することはない。解決法がないわけではない。あきらめてはいけないんだなこの問題も。

太い細いは物理的な前提条件なので、頑張っても変えることはできないが、細いネックであっても掌に太く感じさせることは可能だ。私はたいていそうやって楽器を使っているので結構な経験値をもっている。どうすればいいかというと、音のことは無視して、弦を可能な限り低く設定するとそうなる。どうしてそうなるのかわからない部分もあり、弦を高く張ったほうがネックが太く感じられるのではないかと頭では思うのだが、やってみると明々白々、限界まで弦高を落とすセッティングにして深く握り込むようにすると、本当にネックが太くなった感じがするのでやってみるといい。弦高を下げるとネックにかかるテンションが減ると思うのだが、そのことも関係しているのかもしれない。とにかくこうすると、細ネックのギターであってもBroadcasterをひくように、何も考えず気分よく楽器を奏でることができるのだ。長時間弾いてもつかれないしね。

前提として、フレットの仕上げがきっちりなされていることと、ネックを超まっすぐに設定できることが求められるのだが、ある程度の価格帯以上の楽器、もしくは良心的な専門家にケアしてもらっている楽器ならそれが可能だろうと思う。ネックのロッドの調整は、季節ごとに必要であることは、Vintageでもなければ避けられないことが多いのだが、ぎりぎりまで弦を下げるためには、ゲージを変えるごとにこれを行う必要がある。そうでないと弦とフレットがこすれていわゆるBuzzが生じて楽しく楽器を弾くことができないからだ。多くの場合、ネックを僅か―に順ぞりさせて、Buzzが出るかでないかといったところにもっていくとうまくいくことが多い。たいていの楽器で、ロッドをいじってしばらく弾いていると、淳ぞり方向にわずかにネックが動くことが多いからだ。動く程度は楽器によって違うので見極めが難しいが、とにかく自分の楽器をいじり倒してああすればこうなる、という性質を見極めるしかない。これは専門家よりも楽器のオーナーがなすべき仕事なのではないか、と私は個人的に思っている。

ということで、私のように大きな手のひらを持っていて、ほっそいネックを握っていると指がつかれてしまう、という方は、ネックをまっすぐにして弦高を思い切り落としてみてください。おそらく幸せになれます。保証はできませんが。

タグ:弦高
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