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2022/2/22  徒然F30    [クルマ]

2022/2/22  徒然F30   



リヤタイヤを新しくしたのだが、ゴムの柔らかい動きが乗り味に反映されて大変乗りやすい。空気圧を微調整してベストな圧を探ろうと思っているのだが、このままでも十分満足だ。本日もたいへん楽しく通勤できた。このクルマには本当に満足している。できるだけ長く付き合いたいものだ。

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2022/2/22   J.S.Bach [音楽]

2022/2/22   J.S.Bach


30年ほど前になろうか。私はJazzの勉強をしたかったのだが、当時出会うことができた先生はClassicの人であり、Bachを溺愛していた。この先生は非常に人柄がよい方で、音楽以外のことはどうでもいい、といった雰囲気を漂わせ、レッスンが終わっても音楽の話を、、、といったタイプ。先生には当時大変お世話になり、とても感謝している。当時の私はもろもろの意味で難しい立場に置かれており、日々大変な思いをしていたのだが、この方のおかげでずいぶん救われた。先生は先生で私のようなできの悪い生徒にもJSBを教えてみたいらしく、そんなご無体な、と正直感じてはいたのだが、大好きな先生の期待にお答えしようとやってみることにした。しかしことはJSBだ。一筋縄ではいかない。

JSBの音楽は、私の考えでは慣れるまでは敷居が高く、自分なりに楽しめるようになるまでずいぶん時間がかかるような気がする。フレーズが始まって終わるかと思うと同時に別のフレーズが始まっていたりして、縦の流ればかりではなく、横の流れ、つまり同時にいくつもの旋律が一緒に流れていくのだ。頭も混乱するし、こういった音楽を指板上で表現していくのは容易ではない。テクニック不足であれば全く音楽にならないし、その前に音楽の本質的な流れを頭が理解すること自体が簡単ではない。理解できない音楽を演奏することは不可能なので、理解と演奏が鶏と卵のような関係になってとても演奏を楽しめるレベルにまで自分を高めることはできなかった。当時もそうだし今も正直あまり変わらない。


私は楽器をコントロールすることを目的としてクラギを勉強させてもらったのだが、上記のように教えていただいた先生がJSBが好きで好きで、という方だったので、数か月でちゃっちゃと基本を終わらせた後は、まあ私自身が楽器の経験者だったこともあり、先生はすぐにJSBを弾いてみようと満面の笑みでおっしゃった。ピアノならバイエル、ギターならカルカッシ、、、という階段のようなものがあると思うのだが、そいつらを大股に飛び越していきなりJSBだ。これは大変ありがたい名誉なことではあったが私には少々、というかかなり荷が重かった。先生は一曲が仕上がるまで半年でも1年でもやりましょう、と、にこにことおっしゃるため、短気なわたしはすぐに値を上げそうになってしまった。それでもリュート組曲の中から数曲、ギターで弾きやすいものを選んでいただき、何か月もかかってマスターしたのだが、指も頭もJSBの音楽についていくのは本当に大変であった。子供が内容を理解しないままに法律の本を音読しているような状態であったとは思うのだが、体の中に入ってしまったJSBの音楽を指板上で再現すると、それなりに奥行きのある音楽に聞こえてしまうことがあるのが不思議だった。しかしやはり音楽に対する知識と経験が絶対的に不足していたので、知識に関しては今でもそうなのだが、指だけが速く動く、レベルの低い演奏をしていたと思う。発表会なんかは自分の能力ぎりぎりの演奏をしたので、緊張して大変だった。当然上手には弾けなかった。

救ってくれたのはたまたま親戚がくれたH.SmithのJSBのリュート組曲のアルバムで、わたしは暇さえあれば、こいつを何度も何度も何度も何度も繰り返し聞いて、ついにJSBが好きになってしまった。頭の中に音がすべて入ってしまっているので、心のスイッチを入れればいつでも頭の中でアルバムを演奏することができる。実際今現在でも私の頭の中にすべての音が入っている状態は維持されている。結果的に、その後の私の音楽人生は頭の中の音に実際の音を近づけることに大部分が費やされて今日に至っている。頭の中の音と実際に自分が紡ぎ出す音の”違い”は絶望的に大きく、とても同じ人類が演奏しているとは思えないほどなのだが、まれに満足がいくような演奏が奇跡的にできてしまうこともないわけではない。

そういったわけで、いまでもJazzは大好きで、暇があれば聞いたり、演奏したり、勉強したりして楽しんでいるのだが、同時にJSBの音楽から離れられない体になってしまった。JSBとJazzは音楽として親和性が必ずしも低いわけではないので、十分な時間さえあれば、自分の中で両方ともものにする、というか、同じように楽しめるようになれるのではないかと考え、老化してきた心身に鞭をうって前に進もうとしているのだが、一定のレベルに達するまでにはかなり長生きする必要がありそうだ。JazzもJSBも遠くにある高い山みたいな存在なのだが、眺めているだけではなく上ってみたいのだ。なんとかして、なんとしてでも生きている間に手に入れたい。老後の楽しみにできるかどうか。



タグ:JSB
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