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2022_10_10   吉乃川 厳選辛口 新潟県 吉乃川株式会社 720ml 798エン  [日本酒]

2022_10_10   吉乃川 厳選辛口 新潟県 吉乃川株式会社 720ml 798エン 



ようやくこのお酒を手に入れることができた。以前、ヘギ蕎麦で有名な小嶋屋の都内の支店で夢のような時間を過ごしたことがあったのだが(惜しくも閉店したらしい)、その時に呑んだ一番安い酒がおそらくこれだったのではないか。廉価なのに大変よくできたお酒で、また吞みたいと思っていた。いつだったか忘れてしまったが、吉野川の定番の晩酌用のお酒がある、ということを知り、原宿の新潟県のアンテナショップなどで実際に手に取ってその値段の安さに驚いたのだが、機会に恵まれず、購入して自宅に持って帰ることができなかった。しかしそいつを身近なところで発見することができたので、早速サンプルしてみた。

地元にあまり上品ではない安売りスーパーのようなところがあるのだが、そこで長期間たなざらしになっているお酒の中に、こいつがあったのだ。奥の方、できるだけ日光にさらされていないと思われる瓶を選んで購入。798エンっていくら普通酒でも安すぎないか?ともかく手に入れることができたので、喜び勇んで自宅へ。冷やす間もなく常温で開封し、盃で味を利いてみた。アル添であることは間違いないのだが、酵母っぽい、日本酒的な成分が十分にあり、深みもあるがさほどしつこくなく、適度にさっぱりとしており、大変結構だ。私見だが辛口というほど辛口ではないな。燗上がりするということらしいが、私は燗酒を嗜まないので冷での評価になる。しかしもうお酒ってこれでいいのではないか?十分おいしいじゃないか、というのが今日の私の意見だ。

大吟醸のように魂がとろけるような味も香りもないし、夢のようにフルーティな世界が舌の上で展開するわけでもない。そうではあるが、昔ながらの日本酒らしさに現代風のすっきりとした印象を加え、実にお酒らしい薫りと味わい、喉越しなのだ。名人が力を抜いて作ったお酒のような印象。これが800エンというのだから、新潟のお酒の実力は本当に侮りがたい。すでに1合以上飲んでしまったが、酒瓶を冷蔵庫に安置して我慢してしばらく待ち、お酒をもう少し冷やしてから、あと1合ほど呑んで再評価してみたい。

お酒にお金を使う人にも使わない人にもお勧めできる一本だ。日本酒の本質がたった800円の四合瓶の中に封じ込まれているような素晴らしいお酒だ。お酒は値段ではなく、造り手の心意気なんだな。私はそう思う。

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