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American Original ‘60s Stratocaster その後 [音楽]

American Original ‘60s Stratocaster その後


この楽器に多くを望んではいなかったのだが、ペグが曲がってついていることに気付いてしまった。そのペグだけくるくると軽く回ってしまうため違和感を持って調べてみたところ、運搬中に何らかの力が加わってしまったのだろう、木部にも傷のようなものがついていた。どうしてオレのようなウルサイ奴にこういったことが繰り返し起こるのだろう?楽器の神様に嫌われているのではないか?お店と連絡を取った。交換をお願いしたが在庫がない、色違いでも仕方がないから別の色をとお願いしたところ交換できないとおっしゃるため、返金で対応していただくこととなった。仕方がない。とにかく楽器が必要なので、聖地と呼ばれる場所に足を運んで何年かぶりに楽器屋さんめぐりをしてみた。すっかり浦島太郎で事情が分からないため、有名店ばかりを選んで様子を見てみたのだが、どこもずいぶん様子が変わってしまっている。

楽器は壁やスタンドなどに折り重なるようにして展示してあり、店員さんもお客さんも手に取ってどんどん弾いている。ボディをこぶしでガンガン叩いて楽器の鳴りを試している人までいた。確かに楽器の良し悪しは弾いてみないとわからないが、これでは店頭に置かれた楽器に傷が入るのは避けようがない。米国の楽器屋さんはこんな風だったなあ。店員さんは日本よりもずいぶんえばっているように見えたが、それでも在庫の楽器はビンテージものなどをのぞいて弾き放題だった。鎖みたいなアクセサリをつけた人がギターを体中でガツンガツンやりながら尖ったピックでガリガリいわせて楽器を弾き倒しているのを見たときは、さすがに心が痛んだものだ。細かいことは気にしない文化なのだろうと理解するしかなかった。でもオレは嫌だな、そういうの。

日本の楽器屋さんも、米国ほどではないにしろ、細かいことはイイじゃん、的な感じで楽器を扱うようになったんだなあ、という印象を受けた。かつて頻繁に楽器屋さんに足を運んでいた頃には、一定以上の値段が付いた楽器はガラスケースに保存されており、店員さんにお願いしないと触らせてもらうことすらできなかった。なのでギター弾きの立場からすると、いい時代になったのだろう、多分。しかし楽器を本気で購入しようとする場合は話が違ってくる。購入前にじっくりと品定めすることは当然必要なのだが、他人が弾き倒して傷だらけにした楽器を新品として買わされるのはやっぱりいやだな。”心が狭い”というやつだ。

さんざん聖地を歩き回り、本来ならば必ず足を運ぶはずのお蕎麦屋さんはコロナがらみのリスクを気にしてあきらめ、ちょっとむなしい気持ちでとぼとぼと家路についた私なのだった。納得いかない楽器を買うくらいなら、今あるものだけでやっていこうと思う。

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