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American Original ‘60s Stratocaster その後2 [音楽]

American Original ‘60s Stratocaster その後2


外出のついでに、よせばいいのにFender Custom Shop のStratocasterを見に行ってきた。店頭の価格とWebの価格がかなり異なっており、店頭価格が必ずしも安いわけではないことが確認されて興味深かった。とくに高額の楽器は、店頭価格が高めに設定してあるようだ。勉強になった。値段を考えずにポンと買っていく顧客が多いのだろう、多分。

楽器の品定めについてなのだが、ある程度の楽器であれば、私の個人的な意見では、ボディの仕上がりにはあまり差が出ない。PGをはずして内部を見ることができれば話は別だが、楽器の試奏をする段階で内臓を見せてもらうことはできないので、そういうことになる。だから楽器の選定には、実際に弾いた全体の感じと、あとはネックの作りがポイントになる。具体的には指板エッジの塗装や仕上げ、フレットの仕上げ、それから、最も大切だと考えているのは、ヘッドを裏側から見たときの仕上がりだ。ペグなどはきっちりと直線に並んでいるのが当たり前なのだが、それすらできていない個体が実際は珍しくない。そういった場合、私はこの時点でQCに失敗していると考えてその楽器の評価を止める。木部の加工は、最近はCNCルーター等で削られていることが多いと思われ、稀に僅かな割れや欠けがあったりする以外、テンプレートに合わせて正確に削られているのだが、機械加工が終わった後に、ひと手間余分に加工されているかどうか、そこがポイントだ。機械加工の後に軽くペーパーを当てただけのようなものもあれば、積極的に加工して、複雑で美しい曲面に仕上げている個体もある。Originalの場合、Tadeo Taperなどと呼ばれているようだが、それに似せている必要があると言っているのではなく、そういった細かいところまで気を遣って造ってある楽器であれば、ほとんどの場合他の部分も注意深く仕上げられている可能性が高い、という話だ。

今日見てきた楽器は、ヘッド裏の仕上げはまあOKだったのだが、指板エッジの仕上がりがどうもいまいち。直線がきっちりと出ていないし、塗装もびしっと仕上がっていない。ローズの質も満足できるようなレベルではなかった。値段は悪くないのだが、長く付き合うとなると手に入れるかどうか迷ってしまうような個体だった。確かに長く弾いていけば、指板の端は丸くなってくるし、塗装だって剥がれていくだろう。しかしだからといって適当に仕上げていいということにはならない筈だ。つまり気に入らない。

私にしては珍しく、他のメーカーのハイエンド楽器もざっと見てきたのだが、Fenderに比べると値段がぐっと安く設定されているように感じられた。Fenderはブランド性が高いので、強気の商売ができるということなのだろうか。たしかに私もFenderは大好きだ。しかし米国でお世話になった楽器屋さんにも、Fenderは仕入れ値が高いし商売上の制約が多いので、あまり扱いたくないと文句を言っている人がいた。彼は実際、Fenderの正規ディーラーを降りてしまった。

なにはともあれ、しばらく楽器購入計画は棚上げしておこうと思う。いや、Fender made in Japan limited collectionの、60年代そのものModelがもう一度出たら、Shop Fenderから直接買うかな?
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