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下総中山 更月 [日本蕎麦]

9月22日
下総中山 更月 せいろ3枚 900円

下総中山は古くからのお付き合いの人たちが住んだり働いたりしている街で、折々に訪れる。駅から法華経寺に向かう参道が駅から北に延びている、お寺を中心に発展した街なのだろう、と勝手に理解している。たまたま時間があったので、前から気になっていた、駅からほど近い、構えの大きな、おそらく老舗と思われるお蕎麦屋さんに入ってみた。

店内に入ってみると、奥行きが深く天井が高い。小上がりもあるし、テーブルもたくさん。席に着くと、感じのいいお姉さんがよく冷えたお水を。ご家族で経営しておられるようだ。大盛りをお願いしてみたが、”三枚でよろしいですか?”とのことなので、それをお願いした。普通のせいろそばは2枚、大盛りは3枚、ということらしい。

お店の中はそれなりに清潔で、常連らしきお年寄りがちらほら。混雑しているようなことは無く、タバコを吸う人もおらず、のんびりと出来た。疲れていたのでありがたかった。

綺麗に塗られたお盆に、使い込んだざるが3枚、それから白い涼しげな猪口と葱&山葵のお皿を乗せて手際よく供された。お蕎麦は”星”が全く見られない、比較的白っぽいもの。細打ちで角が立ち、やや長め。機械打ちでつなぎ多めと思われたが、くんくんすればきちんとほのかなお蕎麦のかほりを楽しむことが出来る。更科系?でもちょっと違うか(今度更科の本店に行ってみるつもりだ)。茹で加減もしめ加減もなかなかいい。一枚目、二枚目、三枚目、と食べ進むが、三枚目になるとお蕎麦が少々くっついてしまう感じ。葱は軽くさらした真っ白な輪切り、山葵は白っぽい粉。指でお皿になすりつけるよくあるスタイル。なかなか上品なかほり、悪くない。蕎麦つゆは薄め。コクがやや足りない印象だが、カツオの良いかほりは十分。甘みは少ないが、ザラメを思わせるほのかな甘さが絶妙。醤油ではなく塩を思わせるようなからさ。やや洗練の度合いが足りないきらいがあるが、お蕎麦とのバランスはよいのではないか(偉そうにすみません)。お蕎麦それ自体も、つなぎっぽさは感じさせるものの、蕎麦つゆにつけなくとも十分そのまま楽しめるレベルと感じた。

おねいさんが蕎麦湯をたーくさん持ってきてくれた。底のほうにたまっている”どろり”をのむのが楽しみなので、結局全部のみほすこととなり、ちょっとおなかががぼがぼになりました。とっても満足しました。

Webで検索してみた。創業は昭和5年でそれほど古いお店ではないようだ。また、御前粉と挽きぐるみのブレンドで、かほりをかもしだしつつのど越しもよいお蕎麦を狙っているそうだ。ナルホド。

良い;おそらく地元の有名店 それらしい雰囲気が醸し出されている なかなかおいしい 雰囲気もいい 
もっと良くなる;場所柄を考えると、ちょっと高いかな?
また行く?;Yes
総括;上品なお蕎麦をのんびりと楽しめる お参りに来る人たちの格好の休息場所になっているものと思われるお蕎麦屋さん お参りの帰りに是非

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麻布十番 永坂更科 [日本蕎麦]

9月24日
麻布十番 永坂更科 御前蕎麦 大もり 1240円

麻布十番は職場に近かったので数限りなく通ったように記憶しているが、年若く多忙であった当事の私はお蕎麦屋さんには目もくれなかった。もったいないことをした。久しぶりに訪ねてみると、やはり都心のPrestigious?な街はいいなあ、と思った。そぞろ歩くと外人も多く(白ではなく有色人種が目立つが)、物価も高く、ちょっとした特別感が漂っており、お手軽なリゾート地に来たような気がして楽しかった。

更科堀井に入るつもりであったのだが間違えてこちらに。しかし十二分に楽しめた。短く記しておこうと思う。小ぶりな入り口をくぐると、道沿いはガラス張りとなっており、テーブルが幾つか並んでいる。奥の方は詳しく確認はしなかったけれど宴会ができるようなつくりになっているらしい。ひとりで入店すると、トイレにやや近い大きなテーブルに。モデルっぽいおねえちゃんは窓際の机に座らせたりしている、、、何故だ?店の奥行きは深く、天井は高く、全体にいい感じの清潔感が漂う。店員さんは和服を着ていたように記憶している。お姉さんよりおばさんのほうが愛想が良い、それはこちらがおじさんだからか?ともあれ、文句を言っていても仕方が無いので、満を持して御前蕎麦、それも大もりをおねがいする。本当に真っ白いやつが出てくるのだろうか?斜め向かいに座ったおばちゃんは、蕎麦屋さんなのに”ご飯もの無いの?お蕎麦嫌いなのよ。ご飯は少なくっていいの、、、”などと、私からしたら理解できない相談を店員さんとしている。お金持ちそうなおばばだ。

5分程で角盆にのった御前蕎麦、、、これは本当に白い、真っ白だ。小皿に乗った葱はさらしてあるが、軽くえぐみを残してある。山葵は大きな粒の、粉と生を混ぜたようなもの。花のように搾り出して一工夫。それから蕎麦つゆが期待通り2種類。辛いのと甘いのだ。それぞれを味わってからお蕎麦を吟味。

お蕎麦はかなり細く、頼りない感じ。うすーく伸ばしたものを、タンタンと切っていった、ということが良くわかる。ひょろりと長めだ。店の構えからして大量のお蕎麦を手打ちでまかなえるはずも無く、もちろん機械打ちと思うのだが、幅がそろっていないのはなぜだろうか?計算済み?メニューを見ると、小麦のつなぎを使っているとのことであった。

一口、二口と口に含んでみると、ややぽきぽきとしており、かほりが感じられない?なんだこれは?しかし食べ進むうちにほのかな、やがてふくよかなお蕎麦のかほりが胸を満たした。真っ白なお蕎麦なのに豊かなかほり、、、ちょっと意外でびっくり。これは美味しい!蕎麦つゆなしでももちろんいける。しかし食べ進むにつれてお蕎麦が何故かぺとぺとと団子になってしまう。これは茹での問題なのか、御前粉固有の問題なのか。恐らく後者であり、考え抜いた結果故意にこの様に茹でているのだろう。大もりにしたことがバランスを崩したのかもしれない。いい加減なお蕎麦を出す筈はない。

蕎麦つゆは、双方ともなかなかよい。辛い方は江戸風。カツオが”ぷん”とかほり、濃い醤油の味わいがしっとり。こくは少なめで甘さは故意に抑えてある。全体にさっぱり。ほんの少し甘いのを混ぜると教科書的なバランスのとれた蕎麦つゆになる。一方の甘いつゆだが、出汁は弱めで醤油を抑えた甘辛。水あめっぽい味わい。この真っ白なお蕎麦には、どうも甘いほうが相性がいいようだ。いいオヤジなのに、、、と思いつつ、甘いつゆを存分に楽しんだ。お蕎麦の世界は広く深い。きちんと勉強したいと考えている。

恐らく別仕立てのどろりとした蕎麦湯をたっぷりとのんで、満足してお店を後にした。やっぱり老舗はすごい。馬鹿にできない。底力がある、と再確認した。素晴らしい。こんどは更科堀井に行ってみようっと。

帰りに浪速家のたい焼きを並んで買って帰りました。家族は大切にしなくっちゃあ。浪速家のおじさんは以前と比べてかなりフレンドリーだった。

良い;老舗 名店 場所もよい 独特の御前蕎麦を伝統の2種類の蕎麦つゆでたべさせる ゆったりできる雰囲気
もっと良くなる;場所柄値段が高いのは仕方が無い もう少しだけフレンドリーなサービスを期待したいです
また行く?;Yes
総括;泣く子も黙る老舗の一つ お蕎麦を評価する軸としてきちんと押さえておきたい
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神保町 たかせ [日本蕎麦]

10月 4日
神保町 たかせ せいろ大もり 900円

神保町は馴染みの深い街で、かつてはよく通ったものだ。仕事で久しぶりに訪れ、昼間に時間が余ってしまったので、行ってみたいと思っていた”たかせ”を探してお蕎麦を楽しむことにした。この辺りは大小のビルや学校などが込み入っていて、慣れないとどこを歩いているのかすぐにわからなくなる。小雨の中をうろついて印象的な大谷石の入り口を見つけた。ビルの一階で、中に入ってみると小ぶりのテーブルがメインの店で、奥には小さいが一人客用と思われる大きめの机が。全体にWoodyな雰囲気で、木と漆喰の古民家風。しかし土地柄すべてが小作りで、きちんとしており、全体に清潔。客の回転は速そうだ。

いつものようにせいろの大もりをお願いした。長方形のお店で、どん詰まりが調理場になっているようだ。割と若い男性が二人で、広いとは言えない調理場の中で元気に働いている。見える範囲すべての部分が清潔感を漂わせており、好ましい。しかし木を張った床は、もう少し磨きこんでもいいかもしれない。(そうです私は清潔病です)

まず蕎麦つゆと薬味が、しばらくして四角い塗りのせいろにのった健康そうなお蕎麦が供された。角が立ったやや太めのお蕎麦で、切り口はやや長方形。色は薄めで星が全くない。店内を見回すと、”新蕎麦始めました”と、のぼりが立っている。なるほど。ほのかな繊細なかほり。深みはないが新蕎麦はこんな感じだと思ふ。たぶん。全体にピカピカと光ってとってもきれいだ。口にしてみるとぽきぽきしているわけではなく、むちむちしているわけでもない絶妙のゆで方。冷たい水でよく締めてある。上手だ。当然海苔も乗っていない。こうでなくってはいけない。僅かなつなぎを感じさせる淡白な味だ。なかなかおいしい。

蕎麦つゆは、角の取れた醤油といった印象。鰹の出汁はあまり感じない。昆布系?甘さも弱めで大人っぽいというかお酒に合いそうな味だ。新蕎麦とよく合うが、蕎麦つゆがやや勝っているかも。薬味の葱はかるくさらしてある真っ白なもの、甘みがあってとてもおいしい。山葵は微妙だが粗挽きの生。かなりからいがかほり高く、最近食べたものの中では最良かもしれない。とてもよかった。

冷やした蕎麦茶を気前よくどんどん注いでくれるので、機嫌よく三杯飲み、さらに木でできた急須?にはいった別仕立てではないと思われるさっぱりとした蕎麦湯を全て飲み干して、満足してお店を出た。ごちそうさまでした、とてもおいしかったです。


良い;清潔 隅々まで手がはいっている印象(トイレは未使用) ひたむきに頑張っている感じ えばっていない いかにも神保町的 客筋も良さそう
もっと良くなる;昼時なので回転が速く、ちょっと落ち着かなかったかな? 仕方がないことだが、机と椅子がちょっと小さいかな?ちょっとお値段高めかも。
また行く?;Yes
総括;文化の街、神保町にある小ぶりだがやる気のある、良心的(そう感じた)なお蕎麦屋さん。もう少したくさん食べたい(こればっかり)。新蕎麦でないいつものお蕎麦も食べてみたいと思った。
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奥多摩 一心亭 [日本蕎麦]

一審亭.jpg

10月28日
奥多摩 一心亭 ざる 700円(不確実)

仕事の後のドライブは最高だ。疲れた体をいたわりつつ、無理のないスピードで街をながす。目的はない。上質な癒しの時間だ。山間に入れば窓を開け放ち、新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込んで、緑を目に楽しみながらハンドルを握る。20年以上経つとおもわれる旧車や、爆走するバイクを横目にのんびりと走る。急ぐ必要はない、走るために走っているのだから。

しかし今日もやっぱり結局お蕎麦やさんだ。いつもお世話になっている鳩美のあたりから、街道沿いに下ってゆくのはどうか、と疲れてちょっと怪しくなった頭で突然思いついた。それでPCでちょっとだけ調べて、有名店らしい勘三郎を目指した、、、あったあった、街道沿いに突然、昔風の日本建築があり、庭なども山里風にしつらえてあるようだ。さてさて、と駐車場に車を進めようとすると、坂を上るあたりにかなりのギャップがあり、私の頭の悪そうなシャコタン車では底をこすってしまいそうだ。車を止めて、歩いて確かめてみたが、やはり無理。あきらめるしかない。あたりに駐車場らしいのものはないし。(山中なので当たり前か)涙を浮かべながら撤退。ついてないけど人生そういうこともあるさ。

それでしかたなく、そろそろと街道沿いを下りながら、お蕎麦屋さんを物色した、、、、と、あったあった、、、A というお蕎麦屋さん。街道沿いの斜面に、張り付くように立ててある、谷底を望む最高のロケーションのお店だ。幸運を喜んで、いそいそと入店。駐車場にはクルマが一台も止まっていないのもラッキー。が、入った瞬間に失敗ししたと思った。異臭がするのだ。、、、。、、、。、、、。いろいろあって、結局相場よりも高いと思われる料金を払って、なんとかお蕎麦をお腹におさめて早々に退散した。お願いしたお蕎麦を残すことは私にはできない。何があってもだ。おおきな喜びの時間であるはずが、たいへん残念な時間になってしまった。これ以上の詳細はとても書けない。

休日が台無しだな、と嘆きながら、安心と信頼の鳩美まで行ってみると、駐車場は満車で、お店も繁盛しているようだ。お店のためには喜ばしいが、さてどうしようか、、、。このまま悲しみの中で一日を終えるしかないのか?(大げさ)あきらめて帰途に就く途中で発見したのが一心亭だった。お蕎麦の神様は我を見捨てはしなかった!(明らかに大げさ)

駐車場は狭いがきちんとお店の前に確保されており、お店は外観も内部も新しく清潔で明るい印象。とってもWoodyで、いかにも山のお蕎麦屋さんといった印象。安心して良さそうだ。お店の内部も清潔だ。トイレを借りたが、これも清潔で合格、安心して信頼した。

明るくあたりの柔らかいおかみさんにざるをお願いしたが、大盛りはやっていないとおっしゃる。仕方がないので普通のざるを、、、。出てきたものを拝見してちょっとびっくり。鳩美のものと似ているのだ。鳩美系?小さなざるに手打ち蕎麦を盛り上げるスタイル。違うのは、お蕎麦の星が目立つこと、平打ちだがお蕎麦がやや厚めであること、つなぎが多めでかほりが弱いこと、お蕎麦が短いこと、などだ。もりはわりと多めで、これは大食いの私としては喜ばしい。蕎麦つゆは出汁弱め、甘さ強めで味醂かザラメのような味を感じること、それから醤油をあまり感じさせないこと、量がやや少なめで、個人的にはちょうどよかったことなどが鳩美との違いだ。薄く切られた葱は少なめで上品な味、山葵は生だが少しだけ何かが混ぜてあるのかもしれない。

清潔である代わりに食器はやや安出来で(偉そうですみません)、ちょっとだけファミレスで食事をしているような気分だった。清潔で深みのある和食器で、、、、などと期待値を上げると、非常識な大金を払ってお蕎麦を食べるしかないのだろう。

安くて清潔で量が多く感じがよい、例えば御茶ノ水の いもや の天丼のようなお店は(わかる人にはわかって頂けると思う)、お客さんの数が少ないだけに、やはり難しいのだろうと思われる。この辺りにお住まいの方たちは、実際どんなお店でお蕎麦を食べているのだろうか?観光客向きではない秘密のお店があるのだろうか?

そうではあるが、とんでもお蕎麦屋さんに引っかかってしまった後なので、たいへんありがたく、誠実にお店をやっておられる一心亭に心から感謝しながらドロリと濃い蕎麦湯をのみきって、お店を後にした。救われた気分だった。これからも奥多摩のお蕎麦屋さんをたまに訪れて、その素晴らしさを愛で、この場で小さく宣伝し続けてゆきたいと思う。

心揺さぶられるような、内容の濃い一日だった。お蕎麦屋さんには人生がある、とおもふ(ものすごく大げさ)。


良い;空気も水もいい 新しめで外も中も清潔感あふれるお蕎麦屋さん お店の佇まいもいい なんといってもおかみさんがいい 清潔最高です
もっと良くなる;おおもり please!
また行く?;Yes 
総括;奥多摩の比較的新しいと思われる、街道沿いのお蕎麦屋さん 食べて安心 信頼のお店
タグ:日本蕎麦
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関内 味奈登庵 ざる大盛り 450円 [日本蕎麦]

1月14日
関内 味奈登庵 ざる大盛り 450円(400円の筈?)

生まれ故郷はいい。神奈川県に足を運ぶとホッとする。下世話でどこか貧乏くさく、それでいてちょっとだけバタ臭い、というのが個人的な神奈川県に対する印象であるが、都市部とそれ以外とのギャップが激しいのも楽しい。なまりもけっこうあるしね。生まれ故郷で何かいいことがあると”やっぱり故郷はいいね”と思うが、いやなことがあると”生まれたところなんだからしょうがないさ”と理屈抜きで納得してしまう。矛盾している。しかしそれでも嫌いになりようがない。

ともあれ、仕事で関内に足を運んだので、前から行ってみたいと思っていた味奈登庵に足を運んだ。土地勘が鈍っていてなかなかお店を見つけることが出来なかった。日本人以外の人、特にアフリカ系の背が高い人たちが多かったのがなんだか懐かしい感じ。 歩き回った末にようやくお店を発見、和風にしつらえてあるがコンクリをそのまま黒く塗ってあったりして、必要最小限の内装のお店に入り込む。机や椅子などの調度もミニマムで、簡素で清潔な感じ。しかし貧乏臭くはない、と思う。セルフ店なので、まず注文をして、お金を払って、それで番号札をもらって席に座ってお茶を飲みながら調理を待つ、、、、5分ほどで呼ばれ、ざるそばの完成だ。

ここは”つけ天”(天ざるのこと)と”富士山盛り”で有名なお店であると認識している。脱サラをしたオーナーさんが”つけ天”を安くお腹いっぱい食べさせてあげたい、と大量のお蕎麦とてんぷらを神奈川県民に廉価で提供している、という美しい話を耳にしたことがある。しかし私には富士山盛り(1㌔)は無理っぽい。敗北感にうなだれながら大盛り(550g)を注文した。しかしそれでも実際に目にしてみると、結構な大盛りで、こんもりもこもことお蕎麦が丸く高く盛り上がっている。これで普通の大盛りなのだから富士山盛りは推して知るべし。結果的にただの大盛りにした選択は懸命であった。何故は私は450円請求されたが(メニューには400円と記載)、450円で茹でたてのお蕎麦をこんなに沢山楽しむことが出来るなんて!都内某有名蕎麦屋さんにこの量を見せてあげたい、、、。まあそれはともかくとして。

ぱらぱらと海苔がかけてあったので(わたしは実はこれが苦手)、それなりにかほり高い海苔をまずはむはむと食べ、早速山盛りのお蕎麦を味わってみる。当然機械打ち、しかし角が立ったやや薄い色合いの男らしいお蕎麦だ。星は無く、全体に均一な感じ。茹でてからギンギンに水で締めてある。歯触りはとてもよい、、、のだが、お蕎麦のかほりがとってもほのかで遠ーーーーーーーーくのほうで微かにかほっている感じだ。お蕎麦のかほりを楽しみたい方は、一度に大量にお口に含むしかない。六割蕎麦くらいの感じか?しかし蕎麦つゆなしでも、それなりにおいしく食べることが出来た。蕎麦つゆは甘みの強い、しかしカツヲがプンと主張する、それなりの品質のもの。薄切りの水にさらした葱はわりと多目に供され、山葵はやはり粉だが、それなりのかほりと味わいがある悪くないものだ。蕎麦つゆは猪口に大量に入れて供されるため、服を汚さずにお蕎麦をつるつるするのにはなかなかの技術が要求される、わたしは当然マスターしているが。

やはりこの手のお蕎麦は、蕎麦つゆにドプリとつけるのがよいようだ。端っこちょろりでつるつる、というやり方では、味もかほりもあったものではない。しかし神田のあれも蕎麦、関内のこれも蕎麦だ。蕎麦に貴賤はない。

ちょっとした学食のような簡素なつくりのお店で、お腹がポンポコになるまで、心ゆくまで、お蕎麦をつるつるして、けっこう満足してお店を後にした。やっぱり生まれたところはいい、ということで。とにかく安くたくさん食べさせてあげよう、というお店側の心意気がうれしい。がぜんこのお店が好きになった。お店の人の底が抜けたような笑顔もよかった。惜しむらくは、おそらく1㌔のお蕎麦を食べることが出来たであろう、ものすごく若いころにこのお店に来たかった、と思った。

良い;美味しいお蕎麦を廉価に好きなだけ食べさせてあげたい、という創業者の良心を感じるお店。つけ天を富士山盛りで食べてみたい!私には無理だけれど。
もっと良くなる;このままでいいと思います。
また行く?;Yes
総括;神奈川県の大盛りで有名な良心的お蕎麦屋さん。お蕎麦そのものとしても、なんというかぎりぎりのバランスで成立している。個人的には割と居心地がいいと感じた。神奈川県ラブ。


5月某日 ざる大盛り 400円
ノリノリで書いた文章が何故か2回消し飛んだ。もう書き直す元気がない。一番重要なことだけ記してケツをまくりたい。味奈登庵を愛しているぜ!以上になります、、、。雰囲気は少し暗め、店内広め、雑然とした雰囲気。お蕎麦の質は、上記の簡素なサービス付きのお店と同じでなかなかおいしかった。
Webには、”“高くて美味しい”は誰にでもできます。そうではなく、“安くて美味しい”。時代が変わっても、このことに味奈登庵はとことんこだわり続けます。”と記載されている。素晴らしい!
タグ:日本蕎麦
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渋谷東急東横店 小松庵 二八そば 大もり [日本蕎麦]

4月 13日
渋谷東急東横店 小松庵 二八そば 大もり 1090円

渋谷なんか歩くのは本当に久しぶりだ。最後に渋谷で遊んでから、おそらく10年以上は経っているだろう。仕事がなければ今後も訪れるようなことはないだろう。渋谷にだっておじさん用の空間が用意されているのはわかっている。しかしなんだかこの町に足を運ぶのは気が重い。なんだかぴったりとこないのだ、もう。

ともあれ、所要を済ませて時間が余ったので、いつものようにぶらぶらと歩いてお蕎麦屋さんを探して、、、、しかし良さそうなお店はなかなか見つからない。こういった時に便利なのがデパートのレストランだ。年配者向けに必ずと言っていいほどお蕎麦の名店が名を連ねている。あまり清潔とは言えないお兄ちゃんやおねいちゃんにもまれて歩くのに疲れてしまったので、東急を使わせてもらった。

小松庵、、、恥ずかしいが知らないお蕎麦屋さんだ、、、しかし東急のお店の選択は信頼できる、、、ので、迷わず入店した。私がデパートのお蕎麦屋さんに求めるものは、、、

1.清潔な店内
2.静かな空間
3.それなりの品質の食事
4.値段は多少高くっても問題ない
5.タバコは勘弁

といったところだ。お酒に加えて二八蕎麦の大盛りをお願いすると、どうもウェイトレスのおば様はアルバイトらしく、蕎麦系の込み入った話は分からないようだ、、、、10点減点だ。しかしまあ、それはいい。そして、お願いしたお酒は、、、幸いにしてなかなかよい。温度が適切に管理されており、期待した通りのかほりが保たれている。しかもきちんと一合以上供された。満足だ。そしてお蕎麦は、、、、。やや気取った竹で編んだかごのようなものに乗って供された。薬味は非常に少量のさらし葱、ひと手間加えた粉山葵。悪くない。小さな徳利に入った蕎麦つゆは、、、塩分控えめだが甘みが強い。カツヲ節はびんびん、、、しかし僅かにカツヲ以外の出汁も感じる。上質であることは間違いないが甘みを控えていただいた方が私の好みに近い。さて、お蕎麦の出来はどうだろうか?

竹ざるの上のお蕎麦は、すでにしてクルミのようなよいかほりを放っており、角がきちんと立って男前だ。扱っている量が多いので、機械打ちであることは間違いないが、私に供されたものはプツプツと短めに切られているものが多く、一見手打ち風だ。しかしゆで、しめ、水切りの各段階は丁寧に行われており、自分的にはとてもよい、おいしいお蕎麦だと思った。必ずしも生粉うちである必要はない、とおもふ。

さて、蕎麦つゆとのマッチングはどうか、、、、。ここで私にとっては大きな問題が。薬味、小さな徳利、蕎麦猪口は全て使い込んだ磁器なのだが、蕎麦猪口になにか山葵のようなものがこびりついている。これは興ざめだ。おそらく食器は食洗機を使って洗浄するものと思われるが、客に出す前に、ウェイトレス等がざっと最終確認するべきだと思うのだが、これはどうしたものか。食器を確認するためのお金はかからない。ただ店員さんが少しだけ気働きを効かせさえすればよいのだ、、、、。残念だ。

蕎麦湯も別仕立てのドロリとしたものがたっぷりと提供されて幸せだったのだが、蕎麦猪口の汚れがあと後まで尾を引いた。ゆっくりとお酒とお蕎麦を楽しませていただいたのだが、食器の汚れがどうにも残念だった。しつこいけど。

良い;老舗と思われる ロケーションもよい レベルの高いお蕎麦と蕎麦つゆ
もっと良くなる;うるさくって申し訳ありませんが食器は気合を入れて洗浄してください、お願いします。蕎麦屋を好むおじさんは清潔好きなんです、、、、。もちろん100点でなくてもいいですけど。
また行く?;No
総括;駒込に本店がある老舗と思われるお蕎麦屋さん。蕎麦はかなりおいしい。本文中の食器に関する記載は、すこし強迫的過ぎるかもしれない。多分私の運が悪かっただけなんでしょう。今度本店まで足を運んでみよう。
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本八幡 長寿庵 おおもり [日本蕎麦]

4月 19日
本八幡 長寿庵 おおもり 650円
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用事があって御茶ノ水に、、、、お茶の水は大好きな街だ。学生街ではあるが、きちんとおじさん向きの場所もある。少し足を延ばせば神田も神保町の目の前だ。本郷だって遠くない。街をそぞろ歩いて春風を楽しんだ。思いのほか用事を手早く済ませることが出来たため、お蕎麦屋さんに足を運ぶことにした。

しばらくぶりに神田藪蕎麦に足を延ばす。ここは不幸にして火事を出してしまい、貴重な木造のお店が燃えてしまったと聞いていた。しかし自分の目で確かめるまでは信じられない、、、信じたくない、、、、。それで足を運んでみたというわけだ。結果は、、、




















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悲しい光景を目にしてしまった。あの懐かしい提灯のようなお店の看板?を目にすることは出来なかった。失われた時間は戻ってこない、、、が、新しくなる藪蕎麦を楽しみにしたい。何事も前向きに考えたいものだ。

そこでひいきにしている松屋に足を運んだが、数十人の善男善女が楽しそうに列をなしている、、、、まいった。松屋のためには良いことだが、私はお蕎麦を並んで食べるのは嫌だ。あきらめて、これまた用がある市川へ足を運ぶ。暫く封印していた”ウズマサ”のつけ蕎麦も大きな目的だ。そそくさと足を運んだが、、、むむ、準備中の札が。今日はよほどついていないとみえる。雑用はこれまた速やかに終了。仕事だけしていればいいってことか?

そのまま少し足を延ばし、以前車で通りがかって気になっていた長寿庵に憩いを求めた。幸いにしてお店は開いており、店内も空いている。新築で、一階が店舗、上が住居といった、私が好きなお店の形態だ。のんびりと余裕を持った商売しているお店が多いような気がするので、気に入る確率が高いのだ。早速席についてメニューを開いた。新築で机も椅子も新しく気持ちが良い。しかし机の上がやや汚れており、メニューはべとべとしている、、、個人的にちょっとお尻がむずむず。しかし常識的に考えて全く問題がないレベルだ。私は病気なのだ。めげずに早速”おおもり”をお願いした。なんと650円というお値段。喜ぶべきか失望するべきか。ともかく楽しく待たせていただいた。

ほどなく、無口な男性(親子でやっておられるようで、息子さんが接客担当らしい)がお蕎麦をサーブ。お盆の上に、竹ざるにこんもりと乗った細身のお蕎麦、薬味、蕎麦猪口 on the 蕎麦つゆ徳利。驚くなかれ水ようかんがサービスだ!さらに蕎麦湯も一緒に供された。

お葱は良質のさらし葱が適量、山葵はからさを抑えた粉物を指で小皿になすりつけるスタイル。味もかほりもほどよい。ちょっと量が多すぎるかも。蕎麦つゆは徳利にたっぷりと。かほりはカツヲが強く薫り、醤油感はやや後退している。大変バランスが良い味付けで、全体に薄味にふってある。なんというか、100人のうち95人以上が喜ぶような蕎麦つゆだ。マニアックではないが文句がでることは稀だろう。業者から仕入れたものを、そのまま供しているのかな?と判断。手作り感は希薄だが、おいしいのだから文句はない。そして肝心のお蕎麦だ。細ーくて長ーい、角がピキピキに立ったお蕎麦。人間業ではこんな風にはできないので、明らかに機械打ちだ。星は皆無。2-8よりもう少し蕎麦粉の割合が少ない配合と感じた。調理は適切で、上手に茹でて、〆て、水を切ってある。良心的なお蕎麦で、蕎麦つゆなしでも楽しめるレベル。しかし蕎麦つゆがあったほうがよい。

長ーいお蕎麦をちょっと苦労しながらはもはもと味わい、かなり満足して食事を終えた。大変良心的なお蕎麦屋さんでした、ご馳走様でした。心豊かに帰宅の途に就くことが出来た。

良い;地域密着型の親しみやすいお蕎麦屋さん。出前もやっておられるのかも。バランスの良いお蕎麦と蕎麦つゆ。コストパフォーマンスはなかなか高い。久保田など、良心的な日本酒も置いてある。
もっとよくなる;手打ちもお出しになったらいかがでしょうか?お出来になりそうと感じました。灰皿が置いてありましたが、何とか禁煙にお願いできないでしょうか?個人的な好みにすぎませんが。
また行く?;Yes
総括;地域密着型の気楽に通えるお蕎麦屋さん。最高の材料、というわけではないが、上手に調理して良い状態でお蕎麦を供してくれている。値段を考えると望外の出来。駅から近いともっといいのですが。
タグ:日本蕎麦
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国立 志田 大もり [日本蕎麦]

4月 28日
国立 志田 大もり 650円

用事があって国立まで足を延ばした。この街について詳しくはないが、今後機会があれば探索を楽しみたいと思っている。個人的にイメージしていた国立とはかなり異なっており、結構な田舎、といった印象。しかし学生街特有の元気いっぱい感にあふれており、好印象だ。頻繁に足を運びたい。面白そうだ。

さて、某お蕎麦屋さんを目当てに訪れてみたのだが、残念ながら振られてしまった。仕方なくそのあたりを歩き回って、深く考えずにこのお店に入った。(駅前には経験的に必ずお蕎麦屋さんがある)お店の構えは比較的大きく、それなりにお金がかかった造りで客の入りもいい。小上がりがあって、家族連れがいたり、若いカップルがいたり、大学関係者らしい難しい顔をした中年男性が新聞を読んでいたり。駅前で立地が大変良いため、人気があるお店なのだろう。つぶれようがないのではないか。しかしお掃除が若干行き届いておらず、宴会なども受け入れていると思われる、お蕎麦だけではないこういった飲食店特有の油の臭いが、、、ちょっと残念かな?お客さんが店を出た後の食器が数か所残っていることも同じかな?でも突然飛び込んだお店でうるさいことを言っても仕方がないので楽しく食事をしたい。

メニューを見ると、大もりは650円だ。これは良心的。都心を離れたお蕎麦屋さんではこんなものかもしれないけれど。人手が足りない(家族だけでやっておられる雰囲気)ことが伺われたので、大もりに加えてお酒をお願いしてのんびり待たせてもらうことにした。お蕎麦が出てくるまでゆっくと呑みながら待とう、という作戦だ。お酒を待つ、、、しかしお酒がなかなか出て来ない、、、お酒なしに何をして待てと、、、。仕方がないので本を読む、、、。ずいぶん待って、ようやくお酒が到着。あっさりさっぱりとした京都のお酒だ。ぐびぐびやりながらお蕎麦を待った。しかしお酒さえあればこっちのもので、お蕎麦を待つ時間が喜びの時間に変わる。

やがて塗りのお盆にのったお蕎麦が到着した。ずいぶん使い込んだ食器たちで、塗りが剥げてしまっているものもある。丸いざるに乗ったお蕎麦は、ものすごくエッジが立った、ほそーくてながーくて星が全くないもの。機械打ちだ。かほりはほのか、3-7くらいの感じで、つなぎのかほりがお蕎麦のかそけきかほりとせめぎ合っている。それでもおいしく食べられる。調理が上手だからだろう。そばつゆは醤油薄め、塩味を強めに感じる印象。カツヲは効いているが、それ以外にも僅かに小魚系の出汁が加えられているのかもしれない。手作り感がある。ざるともりで蕎麦つゆを変えてあるのかも。いやいやさすがにいまどきそれはないか。それからちょっとさらしすぎだが見た目は可愛いお葱が少々、指で塗りつけるスタイルの粉山葵が少々。

長くやっているお店(であろうと思われる)だけあって、調理は大変上手。茹でも〆も水切りもきちんと。良心的に割とたくさん盛ってあるため、それなりにお腹が満たされて幸せになることが出来た。蕎麦湯は別仕立てではない、本当のゆで汁を出してくださったようだ。満足をして、お店を後にした。ご馳走様でした。

お目当てのお蕎麦屋さんに行けなかったので、文章に残念感が漂ってしまった。勝手な都合で申し訳ない。お店に失礼なので、2割増し位の評価で読んでいただきたい。あとで少し書き直すかも。"お蕎麦屋さん愛しているから頑張って"というのが私の願いなのだ。


良い;駅前の親しみやすいお蕎麦屋さん。コストパフォーマンスはなかなか高い。良心的な日本酒も置いてある。
もっとよくなる;お蕎麦のかほりを楽しむために、もう少しお掃除を、、、ハイ私は清潔病です。フロアにもう一人、人がいるとなほいいです。
また行く?;No
総括;地域密着型の気楽に通えるお蕎麦屋さん。最高の材料、というわけではないが、上手に調理して良い状態でお蕎麦を供してくれている。立地は最高で便利。
タグ:日本蕎麦
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国立 かな井 せいろ大盛り [日本蕎麦]

5月1日
国立 かな井 せいろ大盛り 850円

何とか時間を作って、遠路はるばる かな井へ足を延ばす。21時までの営業であることを知らずに20時過ぎ、幸運にも就業前に店に到着することが出来た。笑顔で迎え入れられた。今回は運が良かったようだ。早速数少ないテーブルに席を確保する。マンションの一室を改造したような作りで、小さいが落ち着く空間。和風の塗り壁で、床やテーブルは、一昔前に流行ったような、集成材でしつらえてある。床が古くなって黒ずんでいたり、天井もやや煤けていたりするが、全体に清潔感が保たれている。トイレを使わせてもらえばわかりやすいのだが、無理してそうする必要もない。結構歩いた後なので、のどが渇いている状態だ。しばらくしてからおにいさんがメニューを手渡してくれた。いつものようにせいろ大盛りをお願いした。せいろが700円で大盛りが150円増し。妥当だと思うが、せいろおかわり500円というのも気になった。しかしいつものパターンでオーダーを通した。基本はぶれないほうがいい。

時間がかかりそうなので、自分に言い訳をしながら新潟のお酒をお願いした。大ぶりの冷やされたコップに、一升瓶からとくとくと注ぐ方式。これはなかなかよい。一合+ほどいただいて、ちょっと得した気分。しかし日本酒はあまり安くない印象。無濾過生原酒?とかで、大変結構でした。ウマかった。揚げ蕎麦がおつまみとして供されて、心和んだ。ポリポリと瞬く間に食べてしまった。

私以外にもお客さんが二組。なんだか難しい議論をさかんにたたかわせている一組と、和気あいあいとお料理を楽しんでいる一組。客の年齢層は高め。軽いジャズが流れていて、狭いがほかのお客さんとの心理的な距離を取ることが出来て、居心地は上々だ。店内が小ぶりであるため、調理中の音や、従業員の会話などはダイレクトに聞こえてきてしまう、しかし個人的にはあまり気にならなかった。

私の数少ない経験からは、”やや長め”の待ち時間を経てお蕎麦が供された。木のお盆の上に乗せられた四角いせいろ。小皿に雑然とさらし葱、少量だが見た目だけで生とわかる、すりおろしたての山葵。そばつゆは蕎麦猪口に半分ほど満たされた形で供された。良し悪しは別として、薬味はあらかたをつまみ的に食べてしまう。食器は使い込まれてはいるが、やはり清潔な印象。箸置きは削った小ぶりな竹が使われていた。好印象。さて、肝心のお蕎麦はどうだろうか。

お蕎麦は適度な長さの手打ち。やや縦長の断面で、角がしゃっきりと立っている。男前のお蕎麦だ。ものすごく切れる包丁を使っているのか?等と考えつつお蕎麦を眺める。幅が微妙にそろっていないので、手打ちであることがはっきりとわかる。北のお蕎麦の産地、二か所からの蕎麦粉をブレンドしたものを使っているとのことで、期待が高まる。9割蕎麦だ、と自ら謳っている。見た目は色白、わずかにほのかな星がかいまみえる。しかし店内が暗めであるため、心ゆくまで観察することは出来なかった。何よりお腹が空いていた為、早く食べたくって心が焦ってしまう。だからとりあえずそのまま手繰ってみる。歯切れのいいお蕎麦で、確かに9割なのだな、と実感。美味しい。個人的にちょっとだけ残念に感じたのは、お蕎麦のかほりがやや弱めだったことだ。蕎麦粉の問題なのか、それ以後の調理の問題なのか。私にはわからないが、もうすこし強めでもよいかな、と。しかし蕎麦つゆとのバランスもある。順番は逆だがここまで来て蕎麦つゆを味わってみる。これは、、、なかなかいい。カツヲがしっかりと存在感を主張しており、それが醤油と上手に手を握って一体化している。このままかほりを失わずに凝縮(濃縮?)すれば、私が江戸前風、と考えている蕎麦つゆそのものになりそうかな、と感じた。かなりおいしい、お見事です。舌の上から味がなくなる瞬間に、わずかにほのかに感じる酸味はなんだったのだろう。故意にそうしているのか、そうなってしまうのか、判断がつかないままにどんどん食べてしまった。カツヲの発酵系の味の一部なのか?多分そうだろう。頭は考えるが納得するまで確認は出来なかった。だってお腹が減っては戦は出来ないのだ。お行儀が悪いともいふ。それでお蕎麦の端っこだけをつけてつるつる。しかしやはり半分近くまで浸してから手繰ったほうがバランスが良いようだ。そばつゆをつけたりつけなかったり、味の変化を楽しみながら、、、ぽくぽくとお蕎麦を噛み切る歯の感覚を愛でつつ、、、お腹が空いていたのですぐに食べきってしまった。満足だ。

蕎麦湯は別仕立てのとろりとしたものをたっぷりと。その後同じタイミングで蕎麦茶が供されて今日のお楽しみは終了。僅か30分ほどの、東京の西のはずれにおけるおじさんの憩いの時間が終了した。ご馳走様でした。ご亭主が嬉しそうに挨拶して送り出してくれたのもよかった。

良い;国立にあるこだわりの(と思われる)お蕎麦屋さんの一つ。丁寧に良質なお蕎麦を提供しておられる。良心的な日本酒も置いてある。
もっとよくなる;個人的な好みにすぎませんが、お蕎麦のかほりがもうすこしだけたっているとよりいいかも。 お酒ちょっと高いです。
また行く?;Yes
総括;東京のはずれにある小ぶりな渋いお蕎麦屋さん。こだわりをもって、上手に調理して良い状態でお蕎麦を供してくれている。駅からやや離れた立地は個人的にはむしろよい、と思いました。客層が大人っぽいのも個人的には〇です。お蕎麦屋さんに子供がいると困るのです。これからもお世話になりたいです。

タグ:日本蕎麦
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神田 満留賀 静邨 せいろ大盛り [日本蕎麦]

5月某日 神田 満留賀 静邨 せいろ大盛り 780円
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たまに出る都会はいい。テンションが高い。人々が張り切っている感じがする。おねいさんたちもきれいな人が多い。お店がたくさんある。選択肢が多い。今日は風が柔らかく街全体を包んでいて、都会なのに空気が清浄感に満ち満ちていて、なんだかいい薫りがする。近くにいるおねいさんの香水ではない、と思いたい。気分がいい一日だ。ごちゃごちゃとした都心にいるのに、なんだか清々する。今日も一日良く働いた。というわけで神田~御茶ノ水シリーズだ。この辺りにはレベルが高めのお蕎麦屋さんが多数ある。少しずつ、楽しみながら、一軒一軒足を運ぶことを無上の楽しみにしている。いそいそとお目当てのお店に足を運ぶ。

このお店は、私の活動範囲(縄張り?)の中には入っておらず、見つけるのにずいぶん苦労した。おそらくこれまで何百回も歩いてきたすずらん通り -隅々まで知っているつもりだ- から程近いのだが、通りから少し皇居側(と言ったらいいのだろうか)に外れたあたりにある。数十年間、このお店の佇まいを意識するようなことはなかった。全くなかった。選択的非注意?というやつだろうか。もったいないことだ。ともあれ、通りを何度かぐるぐると歩いた後に、めでたくお店を見つけることができた。もう忘れないぞ。ああ、いい加減歩いたのでのどが渇いた。ビールの泡の映像が脳裏をよぎる。

こじゃれた入り口を昔ながらののれんをくぐってお店の中へ。中は意外と現代風の、テーブルが7-8個ゆったりと並べられた和風の造り。宴会用のブースもしつらえられており、こちらもやはり和のテイストにあふれている。なかなかいい。全体に落ち着いた雰囲気をたたえている。数年前に建てかえられたと聞いているが、もう少しお掃除、、、、これはもういいか。お母さんと息子さんと思われるお二人でお店を切り盛りしておられるようだ。白髪ではっきりとした顔立ちのおかみさん、ずいぶんきっぱりとした物言いの方だ。早速せいろの大盛りをお願いした。780円と、なかなか良心的なお値段。お蕎麦を待つ間に、冷酒をゆっくりと楽しむ。実際はのどが渇いているし、お蕎麦への期待にドキドキしていたので、ぐびぐび飲んでしまったような気がするけれど。お高いけれど、おいしい冷酒だった。身近にある、お金があまりかからない”極楽”だ。

10分ほど待つと、お待ちかねのせいろの大盛り。使い込まれた黒い塗りのお盆にのせて供された。よくあるタイプのせいろに、そこそこの量のお蕎麦。やや太めで幅広、幅がそろっていないので間違いなく手打ちだ。ご亭主はまだ若いのか?くんくんしてみると、、、二八と思われるお蕎麦のかそけきかほり。鼻をぺったりとお蕎麦につけて、しばし桃源郷をさまよう。心ゆくまでお蕎麦のかほりに身を浸す。人には見せられないありさまだ。つなぎのかほりはあまり、、、、え?卵?たまごのかほりがする、、、!まさか!!!しかしその後お店の中を見回して、つなぎに卵と山芋を使っていることが明らかとなった。本当に卵だったのだ!びっくり。そんなのありなのか?しかし私のお鼻は山芋のにほひをかぎ分けることが出来なかった。ちょっと残念だった。


そのままお蕎麦を手繰り、一口二口もむもむとやってみる。歯ごたえがあり、なかなかいい。蕎麦つゆがなくても楽しめるレベルだ。どんどん食べてしまうが、途中で正気に返って蕎麦つゆを味わってみる、、、これはいわゆる江戸風の濃い、、、いつもの、、、ではなく、辛さの後に甘さがやや舌に残るタイプ。出汁と醤油は渾然一体としており、出汁がカツヲカツヲカツヲ、と主張している感じではない。甘さはみりん、というよりも、ザラメ、といった感じ。しかしこれはこれでおいしい。良くできている。お蕎麦とのマッチングも良好だ。

しかし脇に置いてある薬味を見てびっくり。さらし葱、ひと手間加えた山葵に加えて、少量のもみじおろし(明太子の様に見えてビビった)。さらにさらに、、、卵うち蕎麦のお店だけあって、ウズラの卵、”ウズ玉”が鎮座ましましているではないですか!これは私的にはかなり“新しい“。個人的には、バラエティを捨てて、その分をお蕎麦の質と量に反映させてほしいと考えるのだが、出されたものに文句をつけるのは野暮というものだろう。頭を切りかえて、全てを十二分に楽しませていただくことにした。

さらにさらに、お盆の上に小さいお猪口があり、なんだか茶色い液体が少量注いである、、、私はもう驚かない。クルミの蕎麦つゆに決まっているからだ。違うか?舐めてみると、確かにそうだ、クルミだ。喜んでこれを蕎麦猪口に投入し、お蕎麦を少々。さらにウズ玉を投入して、、、これはなかなかいい。お店の方たちは、こんな具合に味やかほりの変化を楽しんでもらいたいんだろうな、などと考えつつ、私のお蕎麦の夕べは瞬く間に幕を閉じたのであった。

この間、お店にいたお客さんの平均年齢は優に70歳を超えていた。静かで、ゆったりとして、なかなか落ち着く雰囲気であった。皆様耳が遠いようで、大きな声でお話をされるのもいい味を出していた。蕎麦湯は薄めのものがポットに入って供されたが、もうすこしポットを磨いていただけると、、、(以下略)。ご馳走様でした。満足です。

良い;良質なお蕎麦を誠実に提供しておられる。薬味やクルミ蕎麦つゆのサービスが楽しい。客の年齢層が高いのが個人的には良いと思った。オジサンとオジイサンのパラダイスだ。
もっとよくなる;個人的な好みにすぎませんが、お蕎麦のかほりがもうすこしだけたっているとよりいいかも。 お酒ちょっと高いです。お掃除を、、、これはもういいか。
また行く?;Yes
総括;神田に多数あるレベル高めのお蕎麦屋さんの一つ。上手に調理して良い状態でお蕎麦を供してくれている。卵うちというのも個性的でいい。駅からやや離れた立地も個人的にはとてもよい、と思いました。客層が大人っぽいのも個人的には特に◎です。さて次はどのお店に伺おうか、、、。

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