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"もの"としての"楽器" ⑩ Fujigen NTL21RAH-WB テレのジャック [音楽]

"もの"としての"楽器" ⑩ Fujigen NTL21RAH-WB テレのジャック


Jack.jpgTele.jpg
















テレのジャックで何らかの苦労をしたことがあれば、この楽器のレスポール用みたいに作られた質素なジャックをみてうれしくなるに違いない。オリジナルのテレのジャックは、板を直接木部に食い込ませ、そいつにカップのような形をした金属部品をかぶせるような不思議な構造をしている。向かって右側のバタースカッチのテレのお尻を見てあげてほしい。外見も悪くないし、これはこれでいいと思うのだが、通常のまっすぐなプラグが付いたシールドをさすと弾いているうちにいろいろなところにぶつかってゆるんでくることが多いし、それを避けようとしてエル型プラグ付きのシールドを使おうとしても、多くのプラグは角度や長さの関係でうまくはまらない。右側の写真を注意深くみれば、ジャックが少々ボディから奥に引っ込んでいることが確認できるはずだ。テレを弾いて長い人はそういったことをよく知っている筈であり、自分なりの解決方法を持っていると思われるが、そういった工夫をしなければならないということは、設計に問題があるのだといえるのかもしれない。Leo Fenderは突然現れた天才的な人だと思っているのだが(自分で楽器を組んでみれば誰でも私の言うことが理解できるだろう)、やはり人間完璧ではあり得ないという事なのだろうか。

解決方法として、私が自分で楽器を組む際にはエレクトロソケットという製品を選ぶことが多い。これはアルミを削り出したパーツにジャックを取り付けただけのものなのだが、使ってみるとよく考えられていることがわかる。目で確認しなくても簡単にシールドをさすことができるし、木部の加工は最低限ですむし、機械的な強度が高いし、長期間の使用に耐えると思われる。オリジナルのボディのように、ジャックを取り付ける部分が前から見て直線になっていても(私のFujigenも直線になっている。写真参照のこと。)、一部の楽器のように曲線になっていたとしても、問題なく装着できることもポイントが高い。つまり汎用性が高いということだ。これは設計がいいということになるのではないか。私の楽器の場合、レスポールと同じように4本の木ねじで装着するジャックプレートが採用されている。伝統的なテレを愛する人たちにはあまり好まれない方法だと聞くが、これも悪くないやりかたであるように思われる。ボディのサイドの狭い部分に正確に4つのねじ穴をあけることは、趣味で楽器をアセンブルしている私のような人間にとっては結構ハードルが高い。しかしさすがはFujigen、完璧な穴あけで一部の狂いもなくプレートが装着されている。

楽器と実際に長くつきあい、長所であれ短所であれよくわかっている人たちが作っているんだなあ、と思わせるジャックプレートだ。

いろいろ書いて楽しませていただいたので、もうお支払いしたお金は十分元を取ったような気分だが、これからもこの楽器をどんどん弾いていきたい。腰痛には注意しないとね。最後に一言、Fujigenの楽器はお勧めです。どれを選んでも多分大丈夫だ、と言いたい。
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"もの"としての"楽器" ⑨ Fujigen NTL21RAH-WB ゴトーのブリッジ [音楽]

"もの"としての"楽器" ⑨ Fujigen NTL21RAH-WB ゴトーのブリッジ


Bridge.jpgBridge.jpg






























テレのブリッジにはずいぶん苦労してきた。音も外見も最高なのだが(下の写真を見て)オクターブが合わないオリジナルの3wayのブリッジの構造に納得がいかず、最初に試してみたのはゴトーのがっしりとした機能一点張りの6wayのものだった。たしか鉄製のものと真鍮制のものがあって、私は後者を選んだように記憶している。こいつをウォールナットのボディのテレに乗せて、いろいろパーツを代えてずいぶん楽しんだものだ。もう20年も前のことになるだろうか。しかし質量の高いブリッジをつかうとどうも重心の低い音になってしまい、いろいろ工夫してみても自分がイメージしている乾いた感じのテレの音にはならなかった。それで当時Warmothで売っていた韓国製のブリッジを試してみたり、ジョーバーデンのものを試してみたりしたのだが、どうもいまひとつ気に入らない。それで最終的にたどり着いたのが信頼と安心の日本製、ゴトーのものだった。幸いにして、そいつが私のfujigenにもしっかりと装着されている。ブリッジの駒は、斜めになってはいないが、溝の切り方を工夫することでオクターブが合うように工夫されている。上の写真をよーくみれば、溝の切りかたのイメージがつかめるかも。売り出した当初はチタン製のものが話題になって人気があったので買ってみたのだが、結局それは気に入らず、同じ形をしたブラス製の駒が後に手にはいるようになったので、そいつを使うようになった。そっちの方が値段も安いし、音も伝統的なテレのものに近づくので気に入ったのだ。3wayブリッジの駒は短い円柱を横にしたような形をしているのだが、構造上、ゴトー製のものはこの円柱の半径がオリジナルよりやや太く大きくなっており、結果的に弦高をあまり低くできない。しかし私的に気になる点はそれだけで、あとはほとんど理想通りの構造だ。音的にはオリジナルと比較するとすこし現代的な方向によっていきがちであるものの、全体としてまずまず私の好みにあうので、仕事を引退してまた楽器をアセンブルする機会がもしあれば、間違いなくこのブリッジを選ぶだろう。

見かけはオリジナルの渋い“いなたい”感じとは一線を画すような、なんだかすこしハイテックな外見になってしまっており、In-tuneとかなんとかプレートに彫り込んであるが、まあこれくらいなら許容範囲内か。ゴトーの製品は、製作家ではなく一般の愛好家がパーツとして購入すると結構高額になるし、手元に届くまでに時間がかかるため、購入時からこのブリッジが採用されていることは、私的にはポイントが高い。ブリッジプレートはオリジナルと同様、一枚の鉄板をプレスしたような作りになっているが、こうでないとあのテレの音はでないのは周知の事実だ。ブリッジプレートの形にはバリエーションがあり、サイドを切り取って右手のフィンガープレイがやりやすくなっている製品などもあるのだが、私の楽器に採用されているのは、そういった工夫がされていない、通常のモデルだ。しかしいまの私にはそれで十分、満足だ。このブリッジはテレが好きな皆様に自信をもってお勧めできる素晴らしい製品だと思う。

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"もの"としての"楽器" ⑧ Fujigen NTL21RAH-WB ダンカンのPU [音楽]

"もの"としての"楽器" ⑧ Fujigen NTL21RAH-WB ダンカンのPU

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次はピックアップだ。フロントもリヤも定番中の定番、ダンカンのモデルなのでPUの品質に不安はない。サーキットについて少しだけ語りたい。楽器を購入した際にはなぜかどこにも説明書の類が付属しなかったので設定の確認にはすこしだけ戸惑ったのだが、わかってしまえばあとは簡単だ。この楽器の配線はちょっとだけ特殊な設定になっており、3ウェイではなく5ウェイでもなく、なんと4ウェイに設定されている。フロント側から順番に、ハム、ハムのフロント側だけ半分、フロントと半分とリヤのミックス、リヤのみという設定だ。いわゆるよくあるテレの“フロントPU力不足問題”はすでに解決されている。だから私の興味はフロント半分のダンカンの音そのものということになる。話だけ聞けば普通のテレのフロントPUの音が出てきそうだが、ハムとシングルは構造が違うのでそうはならない。一番大きな構造上の違いは磁石の置かれる場所ということになるだろうか。ハムの場合、ポールピースは磁着されておらず、ボビンの裏に板状の磁石が挟み込んである。一方、テレのようにFender系のシングルピックアップの場合、ポールピース自体が着磁されて磁石になっている。どちらがいいとか悪いとかではなく、設計が異なっていることを認識しておくべきだろう。だから当然出てくる音も違ったものになる。P90なんかは一見Fenderとおなじシングルだが、ギブソン系のポールピース未着磁の構造ということになっている。現在手元にP90がないので確認はできないがそうなっているはずだ。話を戻す。

このハムを半分にした音というのが、fujigenによれば“なんちゃってシングル”とのことで、シングルらしさをこれみよがしに強調したような音像だという。その音を味わってみることを楽しみにしていたのだが、これがなんというか不思議な音で、すぐには弾きこなせそうにない。私には軽めのおもしろい音としか表現できない。しかしミックスとリヤ単体の音には何ら問題はなく、いつものテレの感じで弾いていくことができるので何の問題もなく安心だ。私がこの楽器に求めているのはフロントの普通のギブソン系のハムの音と、22フレットあるネックなので、狙い通り、買った甲斐があったと考えている。

使われているネックのメイプルの品質は十分、指板のローズは伝統的なインディアンローズとは違うようで、導管の入り方が部位によってばらついていたりするが、チョコレート色で見栄えもいいし、何の文句もない。ボディのアッシュは最近手に入れるのが難しくなっている素材で、2ピースで作られている。木部の加工精度は完璧だし、値段を考えると文句の言いようもない。話が拡散してしまったが、テレのボディはやっぱりアッシュが基本であり、そうでないとテレの音にならない。木部がきちんと作られたテレのフロントを、fenderではなくギブソンのハムに取り替えると、何ともいえないすてきな音がでるんですぜ、といいたかった。

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神田 やぶそば [日本蕎麦]

6月某日
神田 やぶそば せいろうそば 700円 2枚

やはりお蕎麦と言えは、このお店は外せないだろう。気合をいれて食べに行ったあの日を思い出しながら書いてみる。お店の場所がわかりずらかった、、、近所のコンビニの店員さんに恥を忍んで聞いてみたら、親切にもやぶそばまで案内して下さった。下町は最高だ! ビルの合間に突然背の低い日本家屋が出現し、ご丁寧に広いお庭まである。早速入らせて頂いた。待合室もある、広くて開放的、天井の高い店内。小ぶりなテーブルが沢山あり、結構広い小上がり(言葉が矛盾している)もある。トイレは別棟っぽいつくりになっていて、お蕎麦を食べる場所からやや離れており、大変結構。昼からお酒を飲んでいる人もいれば、ボーっとしているだけのお年よりもいた。いい雰囲気だ。

いらっしゃいーーーー、、、、だったと思うが、独特の声がかかった。 大盛り蕎麦ね、と注文したら、お店のおば様が”野暮な客だ”といった表情を浮かべてあきれ果てた、、、ので、結局せいろうそばを2枚お願いした。せいろう二枚ーーーー、、、、の掛け声と共に注文が通った、、、ようだ。サーブされたのは、、、、使い込まれた食器と共に、底上げ?されたざるに乗った少量の茶そばが2枚。つゆは濃いめ少なめで江戸前の教科書どおり。数回お蕎麦をたぐると、すぐに一枚のざるが終了。次のざるも一瞬で終了、、、、。なんだかよくわからないままに蕎麦湯を頂いて退場。 納得がゆかないままに、このパターンをこれまでに何度も繰り返している。確かに美味しいし、居心地もいい。素敵な空間だと思うのだが、いまひとつ満足できず肩透かしをくったような気持ちで食事が終わってしまう。お蕎麦でおなかいっぱいは野暮、などという方もおられるようだが、やはりなんだかちょっと寂しい。量が足りないのか、蕎麦のパンチが足りないのか、私にはわからない、、、、、ので、近くに寄った際は又、足を運んでしまうのだろう。

良い;広く清潔な店内 独特のサービス トイレが離れたところにある 味のある建物 外人など連れてゆくと(蕎麦を食べられる人なら)喜ぶ
もっと良くなる;いつも何か足りない気持ちでお店を出る これは経営上の深遠な戦略なのか?

また行く?;Yes 
総括;存在するだけで有難い、有名なお蕎麦屋さん。都会のオアシス。 何をどうすれば、一回の訪問で満足できるのだろうか?又食べに行って考えてみよう。

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